思考は現実になる
毎日本を3冊借りることができます。
とはいっても、図書館があるわけではありません。移動式キャスターにおそらく200冊?くらい、全部手あかがついた古い本です。
取調べのない時など、貴重な時間つぶしです。
逮捕後2~3日は全く本を読む気になどなりませんでしたが、気持ちを入れ替えて借りることにしました。
「思考は現実になる」 翻訳本、著者はわかりません。
「今あるあなたの姿は、あなたがなろうとしてなった姿です」とのこと。
鉄格子の部屋に拘束されている現実、誰のせいでもない、あなたがなろうとしていた姿に他ならない、と。
そうかもしれません。
誰のせいでもありません。完全な私の事務管理能力不足が原因であります。
「人生はあなたの思うようになるはずです。」
「24時間以内にあなたは黄色い車を見つけるでしょう。その後さらに24時間以内に黄色い蝶を見つけることになります。」
「必ず見つかると思ってください。念じ続けてください。ぜったい見つかるはずです。」「思考は現実になるんです。」
娑婆にいる一般的な社会生活を送っている人にしか見つからない、と思いました。
その日の天気もわからない、外部との接触が 完全に絶たれている鉄格子の牢屋に収容されている人間には見つかるはずはありません。
でもとりあえず念じてみました。
それなりに真面目に「黄色い車、黄色い車、黄色い車、...」と念じてみました。
翌日はそんなことすっかり忘れて、別の本を借りました。
浅田次郎の「終わらざる夏」です。
読み進めていくうちに、黄色い旗、車、車学校、などの記述が多く見つかるページに遭遇しました。
現物としての黄色い車に遭遇することは物理的に不可能ですが、これにはびっくりしました。
黄色い車だ!と思いました。
思ったことが現実になった、と素直に思いました。
話のネタ程度にしか考えてなかったのに、まさか見つけてしまうとは。
さらに示唆された黄色い蝶はさすがに見つけることはできませんでしたが。。